仮面ライダーWのダイマをさせてください

はじめに


どうもお久しぶりですなつです。今回もアイマストドンのアドベントカレンダー企画「Except imas Advent Calendar 2018」で記事を書かせていただきますよー。

Except imas Advent Calendar 2018 - Adventar

ちなみに前日はアルエムさんの「2018年の私的音楽事情」という記事でした。

2018年の私的音楽事情 | ライブログ Live-log

音楽のジャンルで言えば邦楽を一番よく聴くので、参考にしながら読ませていただきました。この記事内でご紹介されてるバンドだとHalo at 四畳半さんがお気に入りでした!最近はあまり開拓できてないのですが、やっぱり新たな音楽に出会う瞬間は楽しいですねぇ。
で、なんでアイマス絡みの企画で仮面ライダーの記事を書いているのかというと、この企画の趣旨が「アイマス“外”の好きなこと」でして、じゃあ仮面ライダーの話しよう!!と完全にノリと勢いで書くことになりました。
せっかくならこの記事を読んでもらった方にぜひ仮面ライダーを見てほしい、じゃあ平成ライダーにあまり触れたことのない人でも気軽に見られる作品はなんだろう……仮面ライダーWだ!!
という訳でダイマをさせてください。無駄に長いですが全文読んでくださると私が喜びます。

 

世界観とストーリー


今作の舞台は風都という爽やかな風が吹くとある街です。しかし、この風都の平和を脅かす存在が現れます。それは秘密結社ミュージアムという組織が製造したガイアメモリによって人間が変身するドーパント。このドーパントによる悪事を、鳴海探偵事務所の仮面ライダーが成敗する……大まかな流れはこんな感じです。

用語の解説に入りましょう。
まずはガイアメモリについて。これは作中の仮面ライダー、今作の怪人枠であるドーパント共に力の源となっているアイテムです。外見はUSBメモリを二回りほど大きくしてカラフルにした感じ。それぞれにA〜Zのアルファベットが印字されているのも特徴で、仮面ライダードーパントはそのアルファベットから始まる様々な能力を使えるようになります。(例えば、A(アクセル)のメモリを使うと後述する仮面ライダーアクセルに変身できるなど。)

続いて仮面ライダーについて。W本編に登場するライダーは、仮面ライダーW仮面ライダーアクセルです。派生作を含めるともっといるのですが今回は割愛。

f:id:natsu-p:20181210151848j:image

こちらが仮面ライダーW
縦に真っ二つにされたようなデザインが特徴的ですね。作中でも「半分こ怪人」とか呼ばれてたりします。
ではなぜこんなデザインなのかというと、変身者が2名ガイアメモリも2つ使って変身するからなのです。
「変身者が2人?この画像は1人しか写ってないけど?」と思ったそこのあなた、Wは変身者どちらか片方の意識をもう片方に移して変身する、つまり1人で2人仮面ライダーなのです。
ちなみに、変身者2名が遠隔地にいても変身できる便利な仕様なのですが、意識を移す側の変身者はその場でバターンと意識を失って倒れるので結構危ないです。本放送時はこれを真似する子どもたちが続出したとか。
サイクロンジョーカールナトリガーヒートメタルの6種類のメモリが使用可能で、画像の形態はサイクロンジョーカーですが、メモリを挿し替えることでルナトリガーヒートメタルにもフォームチェンジが可能です。敵の特性や戦闘状況に合わせてメモリを挿し替えるのがWの主な戦闘スタイルになりますね。

決め台詞は「さぁ、お前の罪を数えろ!」。街を揺るがす悪人を成敗した時に放たれるこの台詞、痺れる格好良さです!

f:id:natsu-p:20181210151900j:image

続いて仮面ライダーアクセル
バイクをモチーフにした仮面ライダーで、ハンドルをモチーフにしたベルトアクセルドライバーとアクセルメモリによって変身します。
アクセル最大の特徴はずばりバイクフォームにあります。ベルトを腰から取り外し変形させ(タイヤがミョイーンと出てきます)、アクセル自身も背面を変形させ前傾姿勢を取ることで“バイクそのもの”になることができるのです。言葉では伝わりにくいと思うので画像をどうぞ。

f:id:natsu-p:20181210152030j:image

基本的には自走して戦うのですが、この形態でWを乗せながら戦闘するシーンもあります。

 

最後にドーパントについて。今作の怪人枠にあたります。ドーパント仮面ライダーと同じくガイアメモリを使用して変身するのですが、ドライバーを使用する仮面ライダーに対してドーパント生体コネクタという肉体に付けられたコネクタに直でメモリを挿入して変身します。要するに素肌から直接メモリをぶっ挿します。
これにより、ドーパントは怪人でありながら完璧な人外ではなく、一皮剥けばただの人間、という状態になります。ではどうやって使用者を傷付けずに倒すのかというと、Wとアクセルの必殺技は少々特殊なものになっているのです。
ドーパントそのものにダメージを与えるのではなく、メモリと使用者を引き剥がし、なおかつメモリだけを破壊するメモリブレイクという方法を使います。この方法によって、使用者を傷付けず、メモリだけ破壊することができるのです。

 

登場キャラクター

 

まずは鳴海探偵事務所の4人組から。この4人が物語の軸になっていきます。


左翔太郎/仮面ライダーW(の左担当)
風都で鳴海探偵事務所を営んでいる探偵であり、仮面ライダーWの左側担当。
人生の師匠である鳴海荘吉に憧れ、ハードボイルドを自称しかっこつけたキザな言動を繰り返しますが、素の性格はお調子物で感情豊か、おまけに他人にも悪人にも甘すぎるというハードボイルドからは程遠いもの。このことで周りからは「ハーフボイルド」とか「半熟探偵」とか呼ばれていますが、本人は頑なに認めようとしません。
その情に厚く優し過ぎる性格が翔太郎の弱点でもあり魅力でもあるポイントで、依頼の捜査中も基本的には「依頼人を守り抜く」という信念を貫き通します。

 

フィリップ/仮面ライダーW(の右担当)
左翔太郎の相棒であり、仮面ライダーWの右側担当。脳内に地球(ほし)の本棚という地球上のすべての情報を閲覧できる本棚を持ち、捜査では翔太郎が調査してきたキーワードを使って真相を探ります。
実は、1年前のビギンズナイトと呼ばれるとある事件で翔太郎と鳴海荘吉が助け出した少年。記憶喪失・身元不明という謎だらけな状態で、地球の本棚でも自分と家族の情報が書かれた本はロックがかかって読めなくなっています。
性格は掴みどころのない不思議な少年で、好奇心が強く気になった物事はすぐに検索して自ら体験しますが、一度興味を持つと満足するまで他の事には目もくれません。たこ焼きを知らないほど世間の常識に疎く、度々翔太郎たちを振り回します。
口癖は「ゾクゾクするねぇ」。

 

鳴海荘吉
鳴海探偵事務所の元探偵。本編開始時点では死亡していますが、翔太郎に「おやっさん」と呼ばれ慕われています。
帽子と白スーツが似合うハードボイルドの鑑のような探偵。亜樹子の実の父親ですが、あまり顔を合わせていなかったようです。
1年前のビギンズナイトでフィリップと翔太郎を庇って死亡しているため、本編では回想シーンが主な出番になります。

 

鳴海亜樹子
今作のヒロイン。消えた父親の行方を探すため鳴海探偵事務所に殴り込みますが、なんやかんやあって所長兼大家のポジションに落ち着きます。
大阪出身であり、ノリとテンションと人情の塊のような小娘。ツッコミ(なんでやねん!とかどないやねん!とか)が印字されたスリッパを常に携帯し、そのスリッパで探偵事務所の男たち(主に翔太郎)をどつきまわしつつも所長として翔太郎たちをサポートしています。
口癖は「私、聞いてない!」。

 

照井竜/仮面ライダーアクセル
風都警察署の警視であり、仮面ライダーアクセルの変身者。
とあるドーパントに自分以外の家族を殺されており、その事件を追って風都警察署にやってきました。翔太郎たちと出会った後は度々探偵事務所に出入りしています。
刑事にしてはだいぶ派手な赤い革ジャンがトレードマークで、性格はクールで一匹狼気質という、まさにハードボイルドという言葉が似合う男前ですが、内に熱いものを秘めており情熱的で真っ直ぐな一面もあります。また、「俺に質問をするな」、「絶望がお前のゴールだ」など決め台詞が他のキャラクターより多いのも特徴的です。

 

続いて園咲家の人々。今作における悪の組織的な存在ですね。


園咲若菜/クレイドール・ドーパント
園咲家の次女であり、クレイドールメモリの使い手。
ミュージアムの経営には一切関わっておらず、普段は町のアイドルとしてラジオやリポーターとして芸能活動を行っています。
しかし、実はかなりの腹黒であり、気に入らない人物の前で容赦なく舌打ちをするなどかなり裏表の激しい性格。

 

園咲冴子/タブー・ドーパント
園咲家の長女であり、ミュージアムの幹部。ガイアメモリの製造販売を一任されており、自身もタブーメモリでドーパントに変身します。
とある理由から妹である若菜を毛嫌いしており、家族の食事中に姉妹喧嘩をすることも日常茶飯事。性格も非常に冷酷で、使えない部下はあっさり切り捨てます。

 

園咲霧彦/ナスカ・ドーパント
婿養子として園咲家に仲間入りしたガイアメモリのセールスマン。
セールスマンとして非常に良い販売成績を出しており、その能力を買われて冴子と結婚。その際、強力なナスカメモリを手に入れ、新たなミュージアム幹部として翔太郎たちの行く手を阻みます。

 

園咲琉兵衛/テラー・ドーパント
園咲家の当主であり、ミュージアムのトップ。
園咲家当主にふさわしい風格と貫禄を備えたおじさま。一見紳士らしい風貌ですが、園咲家以外の人間には冷酷な態度を取ります。
長女の冴子に対しては厳格ですが次女の若菜には甘く、飼い猫であるミック(ちなみにミックもドーパント)を可愛がっています。

 

個人的みどころ


Wは「分かりやすく暗すぎないストーリー」「個性豊かで愛着を持てるキャラクター」という2つの要素を兼ね備えていて、平成ライダーシリーズの中でも見やすい部類に入る作品だと思います。ライダー同士で殺し合いもしないしね。
基本的なストーリーの構成として、各エピソードが2話完結になっています。そのため、「今どんなドーパントを取り扱っているのか」「真相にどこまで辿り着いているか」が分かりやすく、また本筋である園咲家との対決から必要以上に話が逸れることもないため、中弛みしません。新キャラクターや新フォームの登場も熱く盛り上がるシーンで差し込まれるので、「次はどんな展開が待っているんだろう?」と全49話のストーリーを飽きずに楽しめます。 


そしてそのストーリーを彩っているのが魅力的なキャラクターたち。亜樹子はコメディリリーフのように見えますが、実は影の功労者。彼女の明るさが無いと解決しなかったであろう事件もたくさんあります。
照井は第一印象では短気で扱いにくい印象を与えますが、赤く燃える情熱と芯の通った強さは本物。戦闘力も精神力もずば抜けているので、とても心強い味方になってくれます。
そして翔太郎とフィリップ。彼らは一見真逆な属性を持つように見えます。ヒーローに相応しい正義感を持っているものの、決意や覚悟が足りない翔太郎、ヒーローとして十分過ぎる程の能力を持つもののヒーローの美学や哲学を知らないフィリップ。2人はお互いの足りないピースを補い合うように出会い、そして相棒となりました。
賑やかでバカ騒ぎもするけど決めるところはきっちり決める愛すべき探偵たち。彼らは一体どんなストーリーを展開してくれるのか。気になる方はぜひぜひ本編をご覧ください!

 

おわりに

ごめんなさいめちゃくちゃ長くなりました。ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます…!!


そして最後に!現在仮面ライダーWYouTube東映特撮オフィシャルチャンネルにて1話と2話は恒常的に、それからなんと本編が2話ずつ無料配信中です!!なんてベストタイミングなんでしょう、Wを観始めるなら今しかない!!


……ちょっとテンションが上がってしまいましたが、どうぞ仮面ライダーWをよろしくお願いします。

ちなみに私の推しはフィリップくんです。箱入り美少年はいいぞ

 

明日の記事はk西さんがご担当の「同人誌即売会スタッフのススメ」です。同人誌即売会には詳しくないので、スタッフさん目線のブログ非常に楽しみです!


以上、なつでした。また次回があればよろしくお願いします!

99 Nightsとさよならアンドロメダを深読みオタクが考察してみる

はじめに

 

お久しぶりです。なつです。ブログめっちゃ放置しててごめんなさい。
そんな私がなぜ久しぶりにこのブログを更新したのかというと、アイマスPが集うインスタンス、im@stodonのユーザーによる「なつやすみプロデュースノート」という企画に参加したからです。ちなみにこの記事は24日目の記事です。
前日の記事は、稲本海さんによる「奥山沙織の台詞に見る東北方言のステレオタイプ」でした。私は南東北(宮城)出身なので、頷けるところが多々あってとても参考になる記事でした!
それでは前置きは程々にして、早速本題に参りましょー。

 

なぜ私は99 Nightsとさよならアンドロメダを考察しようと思ったのか

 

まずは犯行動機の自白からです。この動機は至極単純で、「ニコニコ動画のとある動画で『99 Nightsって百夜通い伝説が元ネタなんだよねー』というコメントを見たから」です。生粋の深読み考察オタクの私は「なんやて!?!?」とすぐに食い付きました。こればっかりはオタクの性なので仕方ないですね。ハイ。

その後さよならアンドロメダの試聴を聞いてあまりのエモさに歌詞をじっくり考察したところ、銀河鉄道の夜との関連性、共通性に行き着いたといった感じです。

いざ経緯を書いてみるとめちゃくちゃ漠然としてますね??私が普段どれほどぼんやり生きているのか痛感させられます……

 

99 Nightsと百夜通い

 

それでは「99 Nightsと百夜通い伝説について」の考察から始めていきましょう。
そもそも百夜通い伝説とは、平安初期に創作された絶世の美女小野小町と深草少将という青年の恋物語です。

大まかなあらすじを説明すると、当時京の都では、小野小町という絶世の美女として称えられていた女性がいました。彼女の元には毎晩毎晩多くの男性が求婚に訪れており、深草少将という青年もその中の一人でした。
熱心に求愛してくる深草少将に、小野小町は「本当に私を愛しているのなら、その証としてこれから百夜の間毎晩欠かさず私の元においでください。そうすれば、私は貴方の想いに応えましょう」と告げます。
深草少将はこの言葉を信じ、毎晩毎晩、雨の日も風の日も欠かさず小野小町の元に通い、そばに来ても顔を見せてくれない小町に自分が来たことを教えるため、必ず芍薬の花を一輪残して帰りました。
そして、悲願達成を目前にした99日目の夜。
その日は酷い雪の日でしたが、深草少将は約束を守るために小野小町の元に赴きます。しかし、連日の無理が祟って深草少将は道中で息絶えてしまいました。
それを知った小野小町は深く悲しみ、生涯彼の菩提を弔った……これが百夜通い伝説です。

 

さてここで、99 Nightsの歌詞を引用してみましょう。

99ナイツ

話したいな 幸せだったかな

会いたいなんて一度だって言えなかった なんてスターライト 浮かぶハイライト

静かな夜が来た

君はまだ来ないね

女性目線で語られる切ない失恋を思わせる歌詞ですが、先ほど紹介した百夜通い伝説と照らし合わせてみると、なんだか新たな視点が見えてきませんか?

 

続いてはこの歌詞を引用してみましょう。

ねぇ話したいな

99ナイツ

幸せだったかな 朝がくる

そう本当はいつだって優しくしたかった さよならは夢の中ね

朝がくることを恐れているような描写と、「さよならは夢の中」という今生の別れを思わせるフレーズ。

 

私は、99 Nightsの歌詞は「99日目の夜、深草少将を待つ小野小町」の心情を書いているのかなー、と解釈しました。
タイトルも直訳すると「99番目の夜」になる通り、「100番目の朝」、「夢の中会いたい」、など、百夜通い伝説を彷彿とさせるフレーズがこの曲の歌詞には散りばめられています。

 

この歌詞から見える小野小町は、深草少将に冷たく当たっていても実は好意を持っていた、いわゆるツンデレだったのではないでしょうか。厳しい条件を課してもきっと彼は私のために頑張ってくれる……そんな不確かな期待を抱きながら待っていた小野小町。しかし、深草少将は志し半ばに倒れてしまう。
そんな想い人を見て、小町は一人深く悲しみ、自分が彼に対して課した過酷な条件を悔やんでいる……そんな小野小町が、この歌詞から読み取れる気がしますね。

 

ちなみに、歌詞の考察を進めていくにつれて、この曲のM@STER VERSIONを歌った美希、伊織、貴音の3人はなんとなく小野小町のイメージに近いものがあるなーと思いました。
カリスマ性を持ち多くの異性を魅了するも、P一筋の美希。良家のお嬢様として生まれ、高飛車な性格の伊織。威厳のある立ち居振る舞いに、ミステリアスな魅力を持つ貴音。この3人が選ばれたのも、もしかしたら百夜通い伝説における小野小町の影響があるのかもしれませんね。

 

さよならアンドロメダ銀河鉄道の夜

 

続いてはこの2つの考察をやっていきましょー。
それでは銀河鉄道の夜のあらすじ……は長くなるので、ざっくりさわりの部分だけご紹介します。銀河鉄道の夜は引っ込み思案で照れ屋な少年ジョバンニと、その親友であるクラスの中心人物のカムパネルラの二人が銀河鉄道に乗り、銀河を巡る旅をする、というお話です。
さよならアンドロメダの歌詞からも、実はストーリーが読み取れます。今回は、そのさよならアンドロメダのストーリーと、銀河鉄道の夜の物語をなぞらえながら考察していきたいと思います。

 

まずはキャラクターの共通性から。銀河鉄道の夜にメインで登場するキャラクターは、引っ込み思案で大人しく、いじめられがちな少年ジョバンニと、その親友であり、クラスの中心人物でもある活発的な少年カムパネルラの2人です。対してさよならアンドロメダの歌詞に登場するのは、いつも一人で、笑顔の少ない「僕」と、その「僕」を笑わせてくれる「君」。
この二組の関係性には、どこか同じものを感じさせられます。

 

次はストーリーを掘り下げていきましょう。
銀河鉄道の夜は三人称視点で書かれていますが、さよならアンドロメダの歌詞はそれをジョバンニ視点で再構成したものだと私は解釈しています。そのため、さよならアンドロメダの歌詞の「僕」にあたるジョバンニと、「君」にあたるカムパネルラとの関係性が強く表現されているのではないでしょうか。これを前提条件として、歌詞を引用しながら考察していきたいと思います。

 

目を覚ましたら君は隣にいて

笑わない僕を笑ってた

実はジョバンニは自ら銀河鉄道に乗り込んだ訳ではなく、謎の強い光に導かれ、目を覚ましたらいつの間にか銀河鉄道に乗っていたのですが、ここの一節はそれをジョバンニ視点で書いたものかなーと思います。

 

願いが形になって叶う場所だと

昔本で読んだよ

星の雨も嵐も怖くないよ

君と行けるなら

個人的にこの歌詞が一番心に刺さります。
銀河鉄道の夜の劇中で、ジョバンニがカムパネルラに「どこまでもどこまでも 僕たち一緒に行こうねえ」と言うシーンがあるのですが、引っ込み思案だったジョバンニがこの台詞を言うこと、そして二人がこの後に「本当の幸いとはなんだろう?」「僕わからない」「僕たち一緒に行こうね」という会話をしていることから、ジョバンニが銀河の旅を通じて本当の幸せを探す決意をする、切なくも美しい印象的なシーンですね。
そのシーンをこの一節で表現するイノタクさんの才能。流石としか言いようがないです……

 

そして 今夜 今夜 そうお別れ
きっと もう 会えないけど
ずっと ずっとさ きみを思っているよ
泣きはらした声も 顔も
ねぇ いつでも 君は すてきだったよ

そして最後に紹介するのはこの一節です。
実は銀河鉄道の夜のラストは、銀河鉄道から下車して現実に戻ってきたジョバンニが、川でカムパネルラが溺れて亡くなった、という知らせを受け、複雑な思いを抱えながら帰路につくシーンで終わります。
その前のシーンでは自分の死を実感したカムパネルラが涙を流す場面もあり、この一節の“泣きはらした顔も 声も”という部分の表現が際立ちますね。
この一節からはジョバンニという一人の少年がいかにカムパネルラという親友を大切にしていたか、というのが伝わってきて、銀河鉄道の夜とこの曲の考察をするにおいて外せない一節だと強く思います。

 

ちなみに、さよならアンドロメダも歌っているメンバーに意味があるのでは、と思っています。森久保は引っ込み思案で消極的なジョバンニ、凛はクラスの中心人物で活発的なカムパネルラ、そして亜季さんは、三人称視点で語られる銀河鉄道の夜語り部としての役割を担っているのかもしれませんね。

 

おわりに

 

ここまで長々と色々書きましたが、最後にこれだけ言わせてください。

 

イノタクは天才です。

 

以上、深読み考察オタクの妄言でした。

 

ちなみに、今回取り上げた銀河鉄道の夜青空文庫で全文読めます。気になる方はこちらからどうぞー。

宮沢賢治 銀河鉄道の夜

 

明日の記事は、ゆらさんの「SideMにメンタルを立て直してもらった受験生の話」です。
アイドルマスターが心の支えになるの、すごく分かります……私もあと数年で高校卒業なので、人生の先輩のお話、とても楽しみにしています!

アイドル達とイメソン

初めまして、なつと申します。アイマストドンでなんだかブログが盛り上がっていたので私も始めてみました。要するに便乗です。
しかし私はブログを書く事自体初めてなので、初回はいつも妄想している事を題材に書いていきたいと思います。どうぞお手柔らかに。

そもそもイメソンとは?

イメソン。聞き馴染みのない人も多いと思います。イメソンとはずばりイメージソングの略で、既存の楽曲の歌詞や雰囲気などをキャラクターに当てはめて楽しむ、というちょっとした妄想というか、遊びみたいな事です。「この曲の歌詞めちゃくちゃAちゃんに合う…!」みたいな。
私はわりと最近このイメソン妄想にハマりまして、いろんな曲を聞き漁っている最中です。その中でアイドル達にピッタリな曲をいくつか見つけたので、この記事で少しご紹介させていただきたいです。

荒木比奈/新宝島(サカナクション)


歌詞
http://j-lyric.net/artist/a04d6c9/l037b92.html

アイマス界では何かとネタ扱いされがちなこの曲ですが、実は歌詞がすごく荒木比奈なんです。元々漫画家をテーマにした曲とあって、同人作家としての荒木比奈と、アイドルとしての荒木比奈、この両方に当てはまるイメソンだと思うんです。
特にこの部分、

このまま君を連れて行くよ
丁寧に描くよ
揺れたり震えたりしたって
丁寧に歌うよ

めちゃくちゃ荒木比奈じゃないですか??
「このまま君を連れて行くよ、丁寧に描くよ」は自分の好きなものを丁寧に描いて人を魅了する同人作家荒木比奈、「揺れたり震えたりしたって、丁寧に歌うよ」は半ニート状態から輝く舞台に上がって、声も心も揺れたり震えたりしたけれど丁寧に歌うアイドル荒木比奈という解釈でこの一節を読むと、もうなんか涙が出てきそうです。
新宝島、たまにはネタ扱いせずに、荒木比奈を頭の片隅に置いて聞いてみませんか?

速水奏/ギブス(椎名林檎)


歌詞
http://j-lyric.net/artist/a00450a/l000ad3.html

奏さんは、高校生という年齢に対して見た目も考え方もだいぶ大人びています。でもそれは奏なりにプライドがあって、「人に自分の甘えた姿を見せたくない」というちょっとした強がりも混ざっているんだと、私は解釈しています。
この曲を奏さんのイメソンとして聞くにおいて、一番のポイントはAメロBメロの歌詞とサビの歌詞の対比だと思っています。
AメロBメロは少し達観したような恋愛観の歌詞は奏さんの理想で、サビの相手に頼っているような甘い歌詞は等身大の奏さんの本音なのかな、と私は解釈しました。
ちなみに、1番の歌詞、

あなたはすぐに写真を撮りたがる
あたしは何時も其れを厭がるの
だって写真になっちゃえば
あたしが古くなるじゃない

この歌詞と同じ意味にとれる事をデレステの自身のコミュで言っています。
f:id:natsu-p:20171228203335j:plain
これ、ちょっと運命感じてしまいます。気のせいですかね?

硲道夫/Sailing Day(BUMP OF CHICKEN)


歌詞
http://j-lyric.net/artist/a000673/l001cf0.html

この曲の主人公は、端から見たら愚かで荒唐無稽な夢を持つ人が、その夢を叶える為に旅を続ける人です。それって、「アイドルになって生徒達に勉強の素晴らしさを伝えたい」という驚きの動機でアイドルになった硲さんに重なりませんか?
しかし、その夢は自分だけでは叶えられない物。S.E.Mの仲間達と芸能界という大海原を進んでいけるように、船をテーマにしたこの曲を選びました。
全体的にすごく硲さんにピッタリな歌詞なんですが、特に私の解釈に合うのは

Sailing Day 舵を取れ
冒険の日々 全て拾っていく
呆れたビリーヴァー

の一節です。硲さんは元教師なだけあって探求心や知識欲が強く、日常のどんな事もアイドル活動に活かしていく姿勢がこの一節に重なりますね。他にも「存在の証明」や「正解・不正解の判断」など、前職の数学教師を彷彿とさせるワードが出てきます。
ちなみに、当初は硲さんのイメソン見つからないなーと色々模索していたのですが、ウォークマンからこの曲が流れてきた瞬間に、これだ!と思いました。ありがとうウォークマン

以上、イメソン妄想のご紹介でした。皆さんの解釈と合う曲はありましたかね?
この記事を読んで「アイドルのイメソン妄想してみたい!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひアイマストドンで流してみてください。速攻でふぁぼりますんで。
最後になりますが、ここまで読んでいただきまして本当にありがとうございました!次回があったらまたよろしくお願いしますね。